スキン・ステッカー素材の基礎知識
再剥離タイプを基本に選ぶ
ステッカー・スキンには大きく分けて「強粘着タイプ」と「再剥離タイプ」があります。ロボットのような高価な機器に使う場合は、貼り面への糊残りが生じにくい「再剥離(はがせる)タイプ」を選ぶのが基本です。ロボスキンの受注制作でも、剥離時に外装を傷めにくい素材・糊を基本に選んでいます。
再剥離タイプは弱粘着の糊を使用しており、剥がした際に跡が残りにくい設計ですが、何度も貼り直すたびに粘着力が低下します。基本的に1回使い切りで考え、長期使用後は剥がしにくくなる場合があることも念頭に置いてください。
素材による経年変化の違い
安価な素材のステッカーは、経年劣化でフィルムがひび割れて粉々になることがあり、さらに粘着力の強い製品では剥がす際に塗装ごと持っていかれるリスクがあります。ロボット本体への使用には、品質が確認できる素材・メーカーの製品を選ぶことが重要です。
曲面追従性
ロボットの外装には丸みを帯びた曲面が多くあります。カーラッピングフィルムのような軟質で曲面追従性の高い素材は、曲面に貼りやすく気泡が残りにくいです。硬い素材は平面以外に貼ると端が浮きやすくなります。機種の形に合わせた素材選びが、きれいな仕上がりの鍵です。
貼ってはいけない場所
以下の場所にはスキン・ステッカー・ラッピングを貼らないでください。ロボスキンの受注制作では、これらを避けた型であらかじめ設計します。
- センサー面(LiDAR・超音波・赤外線・距離センサー) 走行・障害物検知に使うセンサーが遮蔽されると誤作動や衝突のリスクがあります
- カメラレンズ・光学センサー 透明なシートでも光の屈折で認識精度が落ちます
- 排熱口・通気孔 熱の逃げ場が塞がれると過熱のリスクが高まります
- 可動部・関節付近 素材が動作時に挟まれるとモーターへの過負荷や破損につながります
- タッチディスプレイ・操作面 来訪者が触れる操作面は覆ってはいけません
- 充電端子・電源接触部 充電効率の低下や端子腐食の原因になります
貼り方の基本手順
ロボットへの貼り付けは、次の手順で進めると仕上がりがきれいになります。
- 貼る場所をセンサーマップで確認 機種のマニュアル・メーカーサイト、または機種別ページでセンサー位置を確認し、貼付け可能エリアを把握します
- 貼付け面の清掃 油分・ほこり・水分を拭き取り、清潔で乾いた状態にします。汚れた面に貼ると粘着力が落ちます
- 仮置きで位置確認 剥離紙をすべて外す前に、仮置きして位置・角度を確認します。大きなシートは霧吹きを使った水貼りで位置調整できます
- 中央から外へ圧着 スキージー(ヘラ)やカード類を使い、中央から外側へ向けて気泡を追い出しながら圧着します
- 端部の密着確認 曲面の端は特に浮きやすいため、指でしっかり押さえて密着させます
剥がすときの注意と糊残り対策
剥がし方の基本
スキンを無理に引っ張って剥がすと、塗装が傷んだり素材が千切れたりします。端から低い角度(30度以下)でゆっくり引っ張るのが基本です。寒い環境では粘着が固くなっているため、ドライヤーで軽く温めてから剥がすと柔らかくなって剥がしやすくなります(温めすぎると塗装に影響する場合があるため注意してください)。
糊残りの除去
剥がした後に残った粘着剤は、やわらかいウエスや布に無水エタノールを少量含ませて、円を描くように優しく拭き取ります。強くこすると塗装を傷める可能性があるため、少しずつ作業してください。市販のシール剥がし剤も使用できますが、ロボット本体の素材への影響を事前に目立たない場所でテストすることをおすすめします。ロボスキンは「剥がした後」まで考えて素材を選び、貼付ガイドにもこの手順を記載しています。
DIYと施工依頼の分かれ目
| DIY向き | 施工依頼向き | |
|---|---|---|
| サイズ | 小さいステッカー・部分貼り | 大判ラッピング・全面フルラップ |
| 形状 | 平面・緩やかな曲面 | 複雑な曲面・深い凹凸 |
| 仕上がり | 気泡・多少のズレ許容 | 展示・撮影用・完全な仕上がりが必要 |
| リスク | 失敗しても影響が小さい場所 | 本体塗装・センサー近辺など慎重さが必要な場所 |
迷った場合は施工依頼をおすすめします。ロボスキンのオーダー窓口では、スキン・ステッカー・ラッピングの製作と施工について相談を受け付けています。